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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第 23

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 第十五に、『素直な心になること』である。

 松下幸之助は、「経営者が経営を進めていく上での一番根本になる心構え」として、『素直な心になること』を挙げている。『素直な心』とは、「自分の利害とか感情、知識や先入観などにとらわれずに、物事をありのままに見ようとする心」を言うとする。「人間は心にとらわれがあると、物事をありのままに見ることができない。たとえて言えば、色がついたり、ゆがんだレンズを通して、何かを見るようなものである。~物事の実相、真実の姿を正しくとらえることができない。だから、とらわれた心で物事に当たったのでは判断をまちがえて、行動をあやまつことになりやすい。」(「実践経営哲学」pp.110-111)

 それでは、人は一体何にとらわれるというのであろうか?

 人間は「自分が一番可愛い」から、最もとらわれやすいのは、“自分自身”、あるいは“自分の利害や感情など”“私心”である。この場合、自分の利害や感情を基準として物を見て考えることが正しいのだという“信念”が心の中で確立しているから、すべての物の見方考え方の軸は“自分自身”で、自己中心的なものとなる。つまり、自分の得をすることや好きなこと、楽しいことを軸に物を見て、物を考えることとなり、それ以外のことは見えないし、考えようとしなくなる。

 ところが、松下幸之助の言う『正しい経営理念』の様々な概念は、“自分の利害や感情などの私心”と相反するものであり、むしろそれらの私心を消すことが前提として必要とされるから、そのような私心にとらわれた状態では、知識として頭には入っても、“心”に入ってこない。“腹落ち”しないのである。“私心にとらわれた心”に弾かれてしまうからだ。そして、“私心にとらわれた心”は、“私心”という“信念”が心に憑りついて“心”を強く固定しており、容易には“私心”は消えない。そのような状態では私心に反する『正しい経営理念』を本当に“正しいもの”として心から信じることができず、“私心”に代わる“強固な信念”となることはないのである。

 それでは、本当の意味で『正しい経営理念』を実践することはできないのだ。松下幸之助は言う。「経営理念というものは、単に紙に書かれた文章であっては何にもならないのであって、それが一人ひとりの血肉となって、はじめて生かされてくるのである。」(「実践経営哲学」p.79)ここで、『血肉となる』とは、心の中に“強固な信念”、いわば“心のソフトウエア”として新たな回路が形成されるということである。それが形成されると、自動的にその信念(正しい経営理念)に従って物を見、考えるようになる。それが、松下幸之助のいう『はじめて生かされてくる』ということだ。

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      パナソニック株式会社の創業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題       への応用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。最新の記事は、       「松下幸之助、パナソニックの惨状に津賀一宏社長を叱る!⑫」です。