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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第①

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第①


 松下幸之助の最も偉大なところはどこかと問われれば、私は“人間の心”が持つ偉大な“機能”と“力”を見出し、『自分の心を使いこな(す)し』“心の持ち方”“選択すること”によって、情勢に流され易い人間の“心の弱さ”を克服するとともに、自分の持つ潜在能力を最大限に発揮させたところにあると断言する。


 その最初の気づきは、人間のパフォーマンスは、その“気分”によって大きく異なるということであった。この点、松下幸之助は、次の様に述べている。「人間というものは、気分が大事な問題です。気分がくさっていると、立派な知恵、才覚をもっている人でも、それを十分に生かすことができません。しかし気分が非常にいいと、今まで何ら気づかなかったことも考えつくというように、だんだんと活動力が増してきます。そこから成功の姿、発展の姿も出てきます。それでさらに気分がよくなってくる、というわけです。こういうように、人間の心というものは妙なもので、希望がもてたり、将来性というものが考えられると、「よしやろう!」という気分になります。そうするとまたやれるものです。そこに考えもつかないような発展性が生まれたり、発明心が起こったり、あらゆる仕事の遂行にいい方針が見出される、ということにもなるのです。それに反して、気分がくさってくると、別に悲観するようなことでなくても悲観と結びついていく。だんだん気が縮んでいき、おもしろくない、仕事を捨てよう、というような気分が出てきます。著しい場合にいたっては、それを通り越して、自殺するような極端に悲観的な気分も湧いてきます。・・・そういうことを考えてみると、人間の心ほど妙なものはないと思うのです。それほど変化性が高いのです。」(「道は無限にある」)


 即ち、“人の心”『孫悟空の如意棒』のように大きくも小さくもなる伸縮自在のものであり、「人間は心一つで弱くも強くもなる」というわけである。


 例えば、何事にも悲観的な人がいる。そのような悲観的な“心の持ち方”は、その人の“物の見方”をも規定してしまう。松下幸之助は言う。「困難に直面したときに、それをどう考え、処置するかで、飛躍か後退か決まる。不安を抱き、心配したり、誰が悪いと憤慨しても、そこからは何も生まれない。心も萎縮し、知恵も出てき難い。」こうして、“物の見方”は、“物の考え方”や“行動”を左右する。悲観的な物の見方は、悲観的な物の考え方を導き、意欲も知恵も生れない。曰く、「楽観か悲観か、積極か消極か、我が心のあり方いかんで、ものの見方が変わってくる。見方が変われば判断が変わり、判断が変われば行動が変わって、おのずと結果も変わってくる。壁を乗り越え、いい結果を生むために肝心なのは、やはりまず自分の心のあり方ではなかろうか。」そして、悲観的な物の見方が生み出す悲観的な考え方からは、マイナスの結果しか生まれないことを経験から学び、そのような結果を受け入れないということを決意したのである。つまり、結果から遡って、悲観的な物の考え方を、さらには悲観的な物の見方を否定し、楽観的な物の見方をしようと心に決めたのである。


 ここで前提として重要なことは、松下幸之助は、そのように複数ある“心の持ち方”からいずれかを人間は選ぶことができるのだということに気がついたことである。松下幸之助は言う。「私は、人間は自分の運命に責任を持ちうる自由意志を持っていると信じている。人間は選ぶことができる。・・・一つの道は平和と幸福につながり、今一つの道は、混沌と自己破壊につながる。」「人間の心というのは、孫悟空の如意棒みたいなもので、耳の穴にも入るし、六尺の棒にもなる。自由自在やな。人間の心はそれだけ伸縮自在で、思い一つで変わってくるわけや。腹を立てていたことを感謝するようになったり、感謝していることでも腹を立てたりというようになってくる。そこで自分というものをどう制御するかやな。これが大事や。自分というものを使いこなすことができなかったら、人を使いこなすことなどできない。」(1980年8月25日)


 この点、“心理学の父”と呼ばれる米国のウィリアム・ジェームズ博士は、次の様に述べている。「人は心がまえを変えることによって人生を変えることができる。これはわれわれの時代の最大の発見である。」松下幸之助は、自身の体験を通じて、まさにこの“時代の最大の発見”をしたのであった。

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      ニック株式会社の創業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への応       用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。 最新の記事は、        「成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑩」です。