• 宮崎 勇気

7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす①


7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす①

 世の中が不況になると、パナソニック株式会社の創業者松下幸之助の書籍が売れる。

 なぜか?

 その理由は、実際に不況や困難に直面して、単にそれを克服するだけでなく、かえって元よりも大きく発展させてきたという実績があるからである。不況や困難に直面すれば、意気消沈して、当初の志も忘れ、気力を失って、知恵も工夫も出なくなるのが普通だ。しかし、松下幸之助は違った。

 では、松下幸之助は普通の人と何が違うのか、なぜそのようなことができたのだろうか?

 その秘密は、『ことごとく生成発展と考えること』という経営哲学上の信念(“心の窓”)を通して目の前の現象を眺めるとともに、“自分の心”を使いこなし、その時に最も適切な“心の持ち方”を選ぶというところにある。そこには、人間の心の弱さとその本質に対する卓見に基づき、その心の弱さを克服して、その本質を最大限に活かすための極めて実践的な方法論がある。以下、詳述する。

 まず、第一に、人間の心が外部環境の状況の変化の影響を受けていわば『孫悟空の如意棒』の如く大きく変化するものであり、その結果である“気分”によって人間の行動と結果(パフォーマンス)が大きく左右されるものであるということに気づいた。「人間は心一つで弱くも強くもなる」として次の様に述べている。「人間というものは、気分が大事な問題です。気分がくさっていると、立派な知恵、才覚をもっている人でも、それを十分に生かすことができません。しかし気分が非常にいいと、今まで何ら気づかなかったことも考えつくというように、だんだんと活動力が増してきます。そこから成功の姿、発展の姿も出てきます。それでさらに気分がよくなってくる、というわけです。こういうように、人間の心というものは妙なもので、希望がもてたり、将来性というものが考えられると、「よしやろう!」という気分になります。そうするとまたやれるものです。そこに考えもつかないような発展性が生まれたり、発明心が起こったり、あらゆる仕事の遂行にいい方針が見出される、ということにもなるのです。それに反して、気分がくさってくると、別に悲観するようなことでなくても悲観と結びついていく。だんだん気が縮んでいき、おもしろくない、仕事を捨てよう、というような気分が出てきます。著しい場合にいたっては、それを通り越して、自殺するような極端に悲観的な気分も湧いてきます。・・・そういうことを考えてみると、人間の心ほど妙なものはないと思うのです。それほど変化性が高いのです。」(「道は無限にある」)

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(お知らせ)関連のブログも併せてご覧いただければ幸いです。100周年を迎えた現パナソニック株式会社の創業者であ  る“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への応用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。最新の記事は、 「私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑰:規制緩和の実態⑦」です。

#禍転じて福となす

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