• 宮崎 勇気

4.自然の理法5)“日に新た”(2)経営理念と方針や方策との関係


4.自然の理法に従う 

5)“日に新た”

(2)経営理念と方針や方策との関係如何?

 それでは、この“正しい経営理念”“それに基づく具体的な方針や方策”の両者の関係は、どのようなものであろうか?

 それは、松尾芭蕉が蕉風俳諧の理念の一つとして挙げた“不易流行”という考え方に通ずるところがある。つまり、時代を超えて不変の真理(“不易”)と時代や環境の変化に応じて革新していくべきもの(“流行”)とがある。そして、両者は、本質的に“対立するもの”ではなく、元は“一つ”であり、根底において相通ずるところがある、即ち、真に“流行”すれば、“不易”となり、また、“不易”に徹すれば“流行”を生ずるものだという。

 これを松下幸之助の経営哲学について言えば、事業に成功している企業をつぶさに見れば、それらはやり方は様々でも、共通しているのは、例えば、その顧客を大事にしているということであり、ここから“お客様大事の心に徹する”という不変の理念に到達する。また、“お客様大事の心に徹する”という不変の理念に徹すれば徹するほど、その理念を具現化する手段や方法は、“お客様”自身やそのニーズが時代によって変化していくものである以上、それらに応じて、むしろ、提供する商品やサービスを変えて行かなければならない、つまり、“流行”ということに通ずることとなるのである。

 世界と比較しても、日本には、百年以上の長い期間に亘って存続し続けている“老舗企業”と言われる企業が、たくさんあるが、それだけ長い間生き残ってきている理由は、実は、この“不易と流行”にある。すなわち、これらの老舗企業が、“変えてはならない伝統”を守る(“不易”)一方で、その“伝統”を時代の変化に適応させて徹底的に追求し、自らをあるいは自社の製品を変えてきた(“流行”)ところに、その生き残り続けてきた秘密があるのだ。

 より具体的に言えば、その得意分野である“本業”と“自身の技術や強み”に拘り、それを守り続ける一方、その商品自体は時代の変化と顧客のニーズの変化に合わせて、あるいは、それを先取りして、自在に変えているのである。例を挙げれば、自社の強みである“金箔の技術”を最近の携帯電話の折り曲げ部分に活かした老舗企業“福田金属箔粉工業”やこうじ菌や酵母、乳酸菌などを用い、日本古来の醗酵技術を組み合わせて生み出したライスパワーエキスを使った入浴剤やアトピー性皮膚炎の薬、薬用美容液を開発し販売する造り酒屋“勇心酒造株式会社”などがある。(「長寿企業は日本にあり」野村進著日本放送出版協会より)

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      現パナソニック株式会社の創業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への応用として、最近の話       題等をテーマにしたブログです。

      最新の記事は、「PHP研究所佐藤悌二郎氏の松下幸之助論に異論あり⑬ 4.衆知を集めること①」です。

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