• 宮崎 勇気

4.自然の理法に従う 5)“日に新た”⑭(6)“日に新た”の具体的な実践方法 ③


4.自然の理法に従う 5)“日に新た”⑭

(6)“日に新た”の具体的な実践方法 ③

 第五に、松下幸之助は、「日に新たであるためには、いつも“なぜ”と問わなければならない。繁栄は、“なぜ”と問うところから生まれてくる。」と述べている。松下幸之助は、兎に角人にものをよく聞いた。「どうしてだ。なぜあなたはそう思うのか?」と常に聞くのである。また、新しい事業をやろうと思うと、必ず三人の人を呼んで「あんたはどう思う」とバラバラに聞く。何か問題があったら明日にも潰れるという危機感を常に持ち、「これでいいのか」と問い続けるのである。

 私たちは、知識や常識にとらわれ、その枠から外に出られないことが多い。そして、その枠が発想の限界となっていることが多い。特に専門家と言われる人たち、例えば技術者などはその専門的な知識を“所与のもの”として疑わないことが多いのである。松下幸之助は、専門家ではない事業部長が「こんなことできないか」と問うたときに、二度三度やってみて、直ぐに“できない”と決めつけ(“一般化”)、“できない理由”を専門的知識を使って縷々説明をする、そういう技術を“インテリの弱さ”と称して、「“できない”ではできない!」と次の様に喝を入れている。曰く「物事というものは、できることでも、それを「できない」と思っている限り、やはり実際にできないのではあるまいか。~少々のことでできないと考えることは、むしろ人間のすぐれた可能性を押しつぶしてしまうことにもなるのではなかろうか。」

 その専門的知識や常識の“殻”を破ることが必要だと松下幸之助は言うのである。曰く、「われわれを取り巻いている常識、知識というものは、想像以上に根強いものである。“ああ、それは今まで何度もやってみたんだが、それはダメなんだ。~”と決め込んでいるものが、~意外に多いと思うのである。われわれは、時には、そのような考えから解放され、純粋な疑問、純粋な考え、思いつき、というものを大切にすることが必要であろう。そして、それを育てていくことによって、全く新しいものを生み出すことができるのではないかと思う。 」(「松風」(社内誌) 1963年6月号より )できないと思っていたものが、考え方を変えれば、いとも簡単にできることがある。正に“コロンブスの卵”である。

経営学者のピーター・ドラッカーも、イノベーションについて「人間は、常識や固定観念に囚われやすい。常識に囚われた自分を解放してこそアイデアは生まれる」と正にその点を述べている。パナソニックのWヘッドベースのアイロン「カルル」は、アイロンを後ろに動かすとひっかかりシワになるという顧客の不満をヒントに、従来ンのアイロンの形にとらわれず、前後を同じ形にしたことで後ろに動かしてもシワにならなくなり、ヒット商品となった。また、お米は、炊く前に水で洗うという常識を破った無洗米は、元々海水汚染の原因となる米のとぎ汁を防止するために考え出されたものである。

それでは、そのような常識を破る力はどこから生まれるかと言えば、それは“情熱”だと松下幸之助は、言う。「熱意のたぎっているところ、人は必ず新しい道をひらきます。常識では考えられないことまでやってのけるのですな。~新しいものを生み出すためには一度常識から自分を解放しなければならない。そのためには、熱意が強く要請されるのです。多くの知識を身につけた人ほどそれを超える強い熱意が必要だともいえますな。」(「人生談義」より)

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      今年100周年を迎える現パナソニック株式会社の創業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への       応用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。最新の記事は、「憎まれっ子世に憚る⑧」です。

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