• 宮崎 勇気

5.2)経営観:企業は社会の公器⑭


5.社会と共にある

2)経営観:企業は社会の公器 ⑭

 この点「利益は、自然に儲かるものだ」と、松下幸之助は言う。曰く、「若い皆さんに一言申し上げたいのは、あまり利害にとらわれないだけの腹をつくってもらいたいということです。これは私自身にいつも言い聞かせているのです。金というものは儲けようと思って儲かるものではないのです。あれは、自然に儲かるのです。なぜ自然に儲かるのかというと、~ものをつくるときでも、これでいくら儲かるといってつくるよりも、これをつくったらみなが喜ぶだろうなあと、こういうことをまず考えているのです。」(「社員稼業」pp.265-266)

 松下幸之助は、ものが売れる際に必ず通る“人々が心から喜ぶ”というプロセスに着目し、これを実現できれば、“利益”という“結果”は自ずとついてくる、つまり、“人々が心から喜ぶ”ことが利益を生む“原因”となっているのだということに気がついたのである。このように意識をフォーカスすべき焦点を結果たる“利益”から“その結果を生み出すのに相応しい原因”である“人々に心から喜んでもらうこと”にズラすところにいわば“秘訣”があると言えよう。

 この点について、松下幸之助は、次のように述べている。曰く、「商売というものは、利益を抜きにしては考えられない。しかし、利益を得ること自体が商売の目的ではないと思う。やはり大事なことは、暮らしを高めるために世間が求めているものを心を込めてつくり、精いっぱいのサービスをもって提供してゆくこと、つまり、社会に奉仕してゆくということではないだろうか。そこに商売の尊さがあり、使命があるといえよう。そしてその使命に基づいて商売を力強く推し進めてゆくならば、いわばその報酬としておのずと適正な利益が世間から与えられてくるのだと思う。」(「思うまま」p.147)

Copyright © 2018 Yuki Miyazaki All rights reserved.

(お知らせ)関連のブログも併せてご覧いただければ幸いです。今年100周年を迎える現パナソニック株式会社の創業者       である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への応用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。

      最新の記事は、 「私たちは“仮想現実の世界”に生きている!5)歴史の書き換え:勝者が歴史をつくる21」です。

#企業は社会の公器

最新記事

すべて表示

5. 3)経営環境の変化の“萌し”を敏感に感じ、善処していく ⑤

松下幸之助は言います。「経営は創造である」「経営というものは、絶えず変化している。経営をとりまく社会情勢、経済情勢は時々刻々にうつり変わっていく。その変化に即応し、それに一歩先んじて次々と手を打っていくことが必要なわけである。だから・・・いわば経営には完成ということがないのであっ

5.3)経営環境の変化の“萌し”を敏感に感じ、善処していく ④

松下幸之助は言います。「百の事を行って、一つだけ成ったとしたら、大抵の人は事の成らない九十九に自信を無くし、もう再びその事を試みなくなるでしょうな。そうなれば、まさに失敗ですわ。しかし、よく考えれば百が百とも失敗したわけではない。たとえ一つでも事が成っているということは、他の九十

  • Black Facebook Icon
  • Black Twitter Icon
  • Black Pinterest Icon
  • Black Flickr Icon
  • Black Instagram Icon

Copyright © 2016 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

This site was designed with the
.com
website builder. Create your website today.
Start Now