• 宮崎 勇気

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第21

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第21

 第十四には、『商いの原点は、どうすれば売れるか儲かるかではなく、どうすればお客様に心から喜んでもらえるかである』ということである。

 この二つの考え方は、その“アプローチ”と“効果”において全く異なる。両者は、まず事業活動を行う際のアプローチにおいて、第一に“何を目指すのか”、つまり“目指す方向”が違う。自分や自分の会社の為なのか、それともお客様の為なのかの“目的”が違うのである。第二に、その“立ち位置”も違う。“自分自身あるいは自分の会社の立場”に立って物を見て、考えるのか、それとも“お客様の立場”に立って物を見て考えるのかが違う。

 松下幸之助が採る考え方は、もちろん後者、即ち、“お客様の為に”“お客様の立場に立って”“お客様はどうすれば心から喜んでいただけるのか”という視点で、そこに意識をフォーカスして、物を見て、そして、考え抜くことである。このいずれの立場に立つかによって、意識をフォーカスする“焦点”が異なり、それ故集まってくる情報(焦点化効果)とその反面として“削除”され、見えなくなる情報が違ってくるところが重要である。

 まず“どうすれば売れるか、儲かるか”という考えは、“自社”に立ち位置をおいて、自分(自社)の為にどうすればよいかと考える、自己(自社)中心的な物の考え方だ。極論すれば、お客様を“利益を搾り取る相手”と捉え、“お客様自身にとってどんな利益があるか”という視点は、関心事項以外のこととして“削除”され、“盲点”となって見えなくなってしまう点に最大の問題がある。

 例えば、“顧客満足”を方針として掲げながら、経営会議では、顧客や顧客のニーズについての報告や議論のない、あるいは不十分なままに、売上や利益の数字の確認や未達の原因、あるいは、個別の戦術や施策の議論に終始しているというケースは意外に多い。ここでは、“自分(自社)がよくなるためにはどうすればよいか”という“自分の為”の視点から、“自分の立ち位置に立って”、売上や利益を上げるために、“どうすれば商品がもっと多く売れるか”、“どうすればもっと多くの利益を上げられるか”という発想に陥り、短期的で自社の利益という狭い視野から、見かけ上あるいは計算上売上や利益が上がるように見える商品に拘るとか、そのような価格設定にするなど、“取らぬ狸の皮算用”ばかりをして、その反面で、肝心なこと、つまり “人々に心から喜んでもらうこと”(=顧客満足)つまり、顧客のニーズや気持ちを如何に把握しそれに応えていくかということは“焦点”から外れ、“削除”され“盲点”となって見えなくなってしまうのだ。その結果、人々が求めるような商品やサービスは出てこないし、顧客の支持も得られない。


 つまり “どうすれば売れるか、儲かるか”ということに焦点を当てていくら頭を捻っても、そこからは、顧客が心から喜ぶようないい知恵もアイデアも生まれてこないだけでなく、逆に顧客の求めるものから離れて行く結果、売れなくなり、儲からないのである。自社の都合で事業や商品を考え、自社の商品を購入するかどうかについての決定権は100%顧客にあることを忘れているからである。松下幸之助が「金というものは儲けようと思って儲かるものではないのです。」(「社員稼業」p.265)というのは、そのような意味である。

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