• 宮崎 勇気

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第⑱

最終更新: 7月16日

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第⑱

 次に、後半の「その上で収支を立てる」ことについて述べる。「人々の役に立つ」ことだけで自社の“利益”を度外視していては、それは“商売”や“事業”とは言えない。それを“商売”や“事業”として続けて行くためには、“収支を立て”て、“利益”をあげなければならない。そのために「人々の役に立つ」一方で、次のステップとして、「収支を立てる」ために知恵を絞り、創意工夫をすることが必要となる。利益が上がる仕組み、今でいうビジネスモデルを作り出すことである。

 ここで大切なことは、「人々の役に立つ」こと(“利他”)と「その上で収支を立てる」こと(“自利”)というこの2つのプロセスを分けて考えること、そして、この二つをこの順序で(利他→自利)行うということである。それによって、“自利”と“利他”を両立させることができるからだ。この点にこそ、商売のいわば“奥義”があると言えよう。

 多くの企業が失敗するのは、利益を重視するあまり、これらの2つのプロセスを同時にやろうとするからだ。それを無理にやろうとすると、自分の利害にとらわれ、“自利”が勝って、“如何に自分が利益を上げるか”ということを優先し、焦点化効果によって、“人々の役に立つこと”が“削除”され、“盲点”となって見えなくなってしまう、あるいはアイデアが出ても、“歪曲”されて、重要でないと切り捨てられてしまうのだ。

 それ故、これらを二つのプロセスに分けて、一つずつ順に夫々のプロセスを行い、一つずつ順に意識をフォーカスしていく必要があるのだ。

 第二の意味は、“相手の立場に立って考える”ことである。これが意外にできていないことが多い。“できていない場合”として、2つの場合がある。

 第一に、そもそもそんなことは考えたこともないし、必要とも思わないという場合、あるいは、やらなければならないとわかっていても、できないという場合もある。これらは、“自我”にとらわれ、“自分の立場”から離れられない場合である。“自分”というものが残っている限り、“自我”による“削除”“歪曲”“一般化”のメカニズムによる影響からは逃れられない。即ち、自分の利害や感情にとらわれて、相手の立場に立つことができず、結局相手のことよりも、自分の得になること、好きなこと、楽しいことを優先してしまうのである。

 第二に、“相手の立場に立って考える”ことの必要性を理解し、実践していると自分では思っていても、実際にはできていない場合もある。それは、立ち位置がやはり“自分”にあるからである。つまり、“自分の立場”に立ったままで、自分独自の“色”や“歪み”の付いたフィルターを通して、顧客やそのニーズを見ているため、“自分の都合”の悪い情報は”削除”されて見えず、また、仮に見えても“自分の都合”のいいように“歪曲”されて、決めつけられ(“一般化”され)ており、”本当に顧客の求めること”とは異なってしまっているからである。

 松下幸之助は、“お客様の心が読める”という言い方をする。この言葉から推測すれば、松下幸之助のいう「相手の立場に立って考える」とは、“とらわれない素直な心”を持って、“自我”を完全に離れ、つまり“自分のフィルター”を通さずに、いわば“相手に成り切って”、むしろ“相手のフィルター”を通して、見て、聞いて、感じるということであると私は考える。そして、松下幸之助は、それを次の様に実践していた。曰く、「自分の店が“どれほど喜ばれ感謝されているか”をお客様の視点から絶えず反省・検討し、改善していくことが大切だ。」「そうすることによって、足りないところがわかり、尽きざる創意工夫も生まれてくる。“自分の店の存在意義”というものについての確信が生まれ、商売にも自ずと力強いものが湧き出てくる。」

 実は、この「相手の立場に立って考える」ことができるようになれば、「一商人なりとの観念」の第一の意味の「人びとの役に立つこと」が何かということがより明白に見えてくるのである。

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