• 宮崎 勇気

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第⑰

8.まとめ-人生も仕事もすべては“心の持ち方”次第⑰

 「お客様大事の心に徹する」ことを実践する上で、最も障害となるものは、上に述べた通り、経営者自身だけでなく、社内の各組織、一人ひとりの従業員が、自分の利害や感情、などの私心にとらわれることである。

 松下幸之助は、1935年に作られた「松下電器基本内規」の第15条で、「松下電器カ将来如何ニ大ヲナストモ 常ニ一商人ナリトノ観念ヲ忘レス 従業員又ソノ店員タル事ヲ自覚シテ質実謙譲ヲ旨トシテ業務ニ処スルコト」と述べている。将来、企業の規模が大きくなったときに、人間の心の弱さから奢り、傲慢になり、“一商人なりとの観念”という原点を忘れ易いことを見越して、そのことを決して忘れてはならないと強く警告したのである。

 ここで言う“一商人なりとの観念”には、三つの意味があるとされる。第一に、“商売の本質”“商人の使命”がわかっているということ、そして、その上で“収支を立てること”、第二に、“お客様の心が読める”、即ち“相手の立場に立って考える”こと、第三に、“感謝の心、謙虚な気持ちを忘れない”ことである。これが、『お客様大事の心に徹する』ことを実質的に言い換えたものだと言ってよい。以下順次説明する。

 第一に、“商売の本質”“商人の使命”がわかっているということ、そして、その上で

“収支を立てること”である。ここで「商売の本質」とは、“人々のお役に立つこと”であり、それさえやっていれば、人々は支持してくれる、支持してくれるということは、商品・サービスを買っていただける、そして、結果として商売はうまく行く、という意味である。実際の商売の実践の中から生まれてきた先人の知恵であり、“実際の効果”を伴ういわば“商売の王道”なのである。この点、松下幸之助は、「商売の本質は世の為人の為の奉仕なり(「商売戦術三十か条」第一条)と述べている。

 また、それは商売のプロセスにおいても、“実際の効果”を生む。即ち、この“人々の役に立つこと”という一点に意識をフォーカスし、“為すべきこと”は何かを考えて、考えて、考え抜く。そこに意識と活動を集中していけば、“人びとの役に立つこと”についての情報が地引網のように集まって来て(“焦点化”)、人々が真に求める商品が何かということ、あるいはそのヒントとなることが分かってくる。その結果、実際に人々の真に求める商品を作り出すことができるようになるのである。重要なことは、“人々の役に立つこと”を実践するための具体的なやり方の知恵と工夫は、後から生まれてくるということである

 これに対して、会社が“自社の都合”を最優先する場合、例えば、自社の売上や利益、あるいは効率化やコスト削減などの“自社の都合”にとらわれると、それ以外のこと(“人々の役に立つこと”を含む)が“削除”され、“盲点”となって、見えなくなり、あるいは、自社の都合のいいように“歪めて”解釈し、それらを無視あるいは軽視することとなり、“人々の役に立つこと”という“商売の本質”から外れていくこととなってしまうのである。

 松下幸之助は言う。「商売の正しい姿は、社会の求める道をひたすら考え、人々の身になってその要望を満たすところにあります。」「自分は、ただ世間の求めるところに対して、省みて過ちなきを期してゆけばいいのだ。それ以外のことには心を煩わす必要はない。

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