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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

4.自然の理法に従う 5)“日に新た”⑯(6)“日に新た”の具体的な実践方法 ⑤

August 17, 2018

4.自然の理法に従う 5)“日に新た”⑯

(6)“日に新た”の具体的な実践方法 ⑤

 

 第六に、松下幸之助は、「白紙に戻して考える」ことが伝統だと述べている。曰く、「これまでの知識や常識、成功した体験にとらわれていたのでは、新しい行き方は見出せない。とらわれを抜け出し白紙で考えよう。」

 

 “白紙に戻して考える”ためには、“とらわれない素直な心”が必要である。この“素直な心”を欠き、知識や常識、成功体験など様々なものに“とらわれ”ると、それらが軸となり、“削除”のメカニズムが働いて、それ以外のものが、“盲点”となって見えなくなってしまう。また、360度自由な思考が制約され、それらに合わない新しい試みが出てこないし、仮に出てきたとしても、すぐに“できない”と決めつけてしまう(一般化)のだ。この点、松下幸之助は、次のように述べている。「われわれを取り巻いている常識、知識というものは、想像以上に根強いものである。“ああ、それは今まで何度もやってみたんだが、それはダメなんだ。・・・”と決め込んでいるものが、・・・意外に多いと思うのである。われわれは、時には、そのような考えから解放され、純粋な疑問、純粋な考え、思いつき、というものを大切にすることが必要であろう。そして、それを育てていくことによって、全く新しいものを生み出すことができるのではないかと思う。 」(「松風」(社内誌) 1963年(昭和38)6月号より )

 

 また、「白紙に戻して考える」ことの効用について、こうも述べている。「今まであるものを改良してやる、これも大事である。けれども、何もないところから発案する、これは無限大である。無限大に広がるんやから、できると思うんです。」(昭和53年度経営方針発表会より)特定の製品で成功すればするほど、その後は、それを改良することにとらわれて、“革新的な製品”を生み出せなくなるというのが、“イノベーションのジレンマ”であった。それは、今あるものを“改良する”という発想では、初めから“改良”という範囲に“視野”が“限定”されてしまい(焦点化効果)、それ以外のもの、つまり根本的・抜本的な変更ということが“削除”され“盲点”となって見えなくなってしまうからである。特に時代や環境が変化し、かつて成功した製品が顧客から受け入れられなくなっている場合には、このような“改良”型のアプローチでは変化に適応できない。むしろ、それが“失敗の原因”となってしまう場合がある。それが、先に述べたように、2000年以降、韓国や中国のメーカーに敗北した日本の家電メーカーの犯した過ちの一つであった。“白紙に戻して考える”という発想には、このような“何かへのとらわれ”による“物の見方”“物の考え方”の制約を取り払って、360度全く自由に考えることができるため、可能性が“無限大に”広がる点に意義がある。

 

 次の例は、“白紙に戻して考える”ことの松下幸之助自身の実践事例である。かつて松下通信工業がトヨタ自動車にカーラジオを供給しており、毎年5%の値下げ要求があったが、昭和30年には合計20%の値下げ要請があり、事業部ではもはや万事休すという状態であった。たまたま同社を訪問し、事情を聞いた松下幸之助は、まず客の立場に立って事情を想像し、当時の“貿易自由化”という世の中の流れに思い至って、これは日本の自動車産業のためにもトヨタさんの要請を受けなければならないと大局的見地から判断した。その一方で、「トヨタさんと約束したデザインと価格以外はすべて設計を抜本的根本的にやり直して考えてみよ」と指示し、仕入先の見直しや経営改革の要請、部品の原産地の変更、生産ラインの変更など具体的にいつくかのヒントを与えた。すると、それまでの沈鬱な空気が変わり、松下幸之助の言葉に視野を拡げられた社員からも、次第に様々なアイデアが出てきた。それらを皆が力を合わせて実施した結果、約30%のコスト削減を実現し、利益率も3%から9%に伸びたというのである。当初は誰もが“不可能だ”と思っていたことが、“白紙から考え”ることで、視野が拡がり、知恵と工夫が生まれて、実現できたのである。従来の“改良”という発想にとらわれていたのでは、“削除”され、決して見えなかったものが見えてきたからである。

Copyright © 2018 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

 

(お知らせ)関連の下記ブログも併せてご覧いただければ幸いです。

      今年100周年を迎える現パナソニック株式会社の創業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への
      応用として、最近の話題等をテーマにしたブログです。http://ameblo.jp/minamoto305yori-konosuke/

      最新の記事は、「憎まれっ子世に憚る⑩」です。

 

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