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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

4.自然の理法に基づく経営(4)“ものみな原因あり”:“成功の原因”をつくり、“失敗の原因”を無くして行く②

September 21, 2018

4.自然の理法に基づく経営

 

(4)“ものみな原因あり”:“成功の原因”をつくり、“失敗の原因”を無くして行く②  

 

 また、松下幸之助は、「それを、今を考えてから将来を考える。現在を考えてその延長線上に将来を考えるというようなことでは、あまりええ経営者とは言えんよ。」と、“現在の姿”にとらわれて、将来の姿を見ようとする経営者を否定する。

 

 それは、例えば、会社の中長期の経営計画を作るときに、会社の現状の技術力や社員の能力、レベル等を前提に将来の姿を描くというような、現在の延長線上で事業を考えるような場合である。これは、“経営”とは呼べない。経営者が何もしなくとも、現在の姿のままでその結果は自然の成り行きとして生じるからである。そこには“経営”は存在しない。しかし、このように“将来のあるべき姿”を社員に明確に示せない経営者が意外に多いことも事実である。「一致団結」や「コスト削減」だけで、闇雲に頑張るというだけでは、経営とは言えない。それは、会社の業績を経済の好況不況のデータと併せて見れば、景気の浮き沈みと全く同じように会社の業績が上下していることでわかる。

 

 この点、松下幸之助のアプローチは、全く異なる。つまり、まず将来の経営目標を先に決めて、その上で、「将来から現在を考える」、それによって、現在何をすべきかが決まってくるというわけである。即ち、“物心ともに豊かな社会の実現”という“使命”に向けて、社会の発展の原動力となるために自社は何をすべきか、社会は自社に何を求めているのか、という観点から、どのような価値を顧客に提供するのか、“為すべきこと”を徹底的に考え抜いて決定し、そのために自社の組織、人員、技術、能力等はどのような姿であるべきかという“将来のあるべき姿”をビジョンとして描く。そうして“将来の姿”を“固定”した上で、そこから“現在の姿”を振り返って見て、逆算し、それを実現するための“鍵”となる“重要な要因”とそれを創り機能させる“道筋”を導き出し、そこに経営資源を集中的に投入し、全社を挙げて“鍵”となる“重要な要因”を創り出し、機能させていくことによって“成果”を挙げるという考え方である。

 

「成功の原因をつくる」「将来から現在を考える」ということを実践した例は、“クロネコヤマト”の宅急便でお馴染みの宅急便事業を成功させたヤマト運輸の小倉昌男会長であろう。小倉氏が社長となって、新規事業として、小口配送を始めたとき、社内からは、あらゆる局面で、極めて“常識的な発想”から反対論が次々と出てきた。しかし、この小口配送事業が成功するための重要な要因は、「車両の運行効率」を決める「荷物の出る密度」だと気づいた小倉会長は、「荷物の出る密度」を高めることに徹底的に拘り、それをすべてに最優先し、様々な局面で社内の反対論が出る度に、一切妥協をせず、反対論を抑えてきた結果、最終的に事業の成功につながった。例えば、小口配送を始めた当初、社内は、小口配送事業は、集荷と配達が労働集約的で合理化することが困難だから、事業としては成り立たないとの反対の声がほとんどだった。これに対して、小倉氏は、人件費などの経費は、絶対的なものではなく、配送量との関係での相対的なものと考えることができる、従って、“荷物の出る密度を上げること”によって相対的に抑制できると考えた。そして、そのために、主たるターゲット顧客である主婦のニーズに徹底して応えようとした。つまり、それらの主婦にもわかりやすいように、サービスを“商品化”し、“地域別均一料金体系”とする一方、顧客の近くにある米屋や酒屋を活用して集荷システムを構築して“利便性”を高め、全国津々浦々にまで配送網を構築し、また、“翌日配達制度”を導入してサービスを向上させた。均一料金でも、全国への配送網でも、社内の反対に一切の妥協をせず、例外を認めなかったのは、すべて“荷物の出る密度”を向上させるためという重要成功要因への徹底した拘りからであった。

 

 また、先に紹介した名古屋発のコメダ珈琲店の“長居大歓迎”という訴求点も、“効率”重視の他のコーヒー店と差別化した重要成功要因と言えよう。コメダ珈琲店は、“長居大歓迎”という成功要因の実現に向けて、ゆったりとした四人掛けのソファーを基本としてくつろげる空間を生み出すとともに、そのコンセプトに徹底して拘り、追求したのである。その結果、苛烈な競争の喫茶店の業界において、成功事例となっている。

Copyright © 2018 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

(お知らせ)関連のブログも併せてご覧いただければ幸いです。今年100周年を迎える現パナソニック株式会社の創
      業者である“松下幸之助の経営哲学”の現代の諸問題への応用として、最近の話題等をテーマにしたブログで
      す。最新の記事は、「私たちは“仮想現実の世界”に生きている!2)人間の認知機能の物理的限界」です。


 

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