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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

4.自然の理法に従う3)“雨が降れば傘をさす”③

September 7, 2018

4.自然の理法に従う 3)“雨が降れば傘をさす”③

 

 なお、“雨が降れば傘をさす”との言葉について、松下幸之助自身から直接教えを受けた最後の愛弟子と言ってもよいPHP研究所の佐藤悌二郎氏は、「商売、経営の成功・発展の秘訣は、万人の常識、当たり前のこと、あるいは、平凡なことを当たり前にやることに尽きる」と解釈する。しかし、これは極めて“誤解を招く解釈”だと言わなければならない。

 

 そもそも、そのような万人の常識、当たり前のことをやるだけで事業が成功するというのであれば、“経営理念”“経営哲学”は不要であろう。また、松下幸之助は、「経営は生きた総合芸術である」と述べ、さらに「かつて成功した昔ながらのやり方を十年一日のごとく守っている」だけでは“経営のゆきづまり”に陥ることがあるから、「やり方に、今日の時代にそぐわないものがあれば、~次々に改めていかなくてはならない。」(「実践経営哲学」pp.102-103)として、“日に新た”でなければならないと強調しているところから、それが“万人の常識”や“当たり前のこと”をやり続けるだけで成功するということを意味しないことは明らかである。松下幸之助は事業の成功につながる“秘訣”として、次のように述べている。曰く、「経営というのは、大地自然の理にしたがい、世間大衆の声を聞き、社内の衆知を集めて、なすべきことを行っていけば、必ず成功するものである。」(「実践経営哲学」p.111)

 

 これに対して、先に述べたように、松下幸之助が見てきた多くの経営の失敗の姿は、結局経営者自身の“私心へのとらわれ”から来るという場合に集約される。それは、経営の手法上の問題というよりも、それ以前の“経営者の物の見方や考え方”に原因があったということである。松下幸之助は、「経営というものは、正しい考え、正しいやり方をもってすれば必ず発展していくものと考えられる。それが原則なのである。」と述べ、「行き詰るということは、行き詰るようなものの考え方をしているからである。」として、経営の失敗について、「うまくいかないのは、為すべきことを考えていないか、考えていても、やっていないからだ。」と断言する。そして、そのような“私心へのとらわれ”などというようなことは、自然界においてはありえない、自然の理法に反した考え方だと言うのである。

 

 また、どんなに優れた経営者であっても、人間である以上、全体のごくわずかしか見えていないという危うさがあることを自覚しなければならないとして、次のように述べている。「人ひとりの知恵は、いかにすぐれていても、ちょうど闇夜の提灯のようなものです。自分ひとりの考え、判断を最上なりと信じての独断のふるまいは、会社をマイナスにみちびくものです。」(「わが経営を語る」p.38)

 

 そこで、経営者が、自分自身の能力を過信し、自惚れて驕り、あるいは、一時の成功に有頂天となり、“傲慢”となって、失敗への道を突き進むことのないように、経営者の思考の中に暴走を防ぐ安全のためのメカニズムが必要である。また、経営者が、情勢の変化に翻弄されて、意気消沈し、挑戦の意欲を喪失することを防ぐ思考上の“防波堤”が必要である。この「自然の理法に従った経営」という考え方は、“私を抜いた思考プロセス”であるという点において、“私心の暴走”や“高い志の喪失”を防止し、“安定した経営”をするという実践的な意義を持つものである。

 

 それ故、松下幸之助は言う。「限りなき生成発展というのが、この大自然の理法なのである。だから、それにしたがった行き方というのは、おのずと生成発展の道だといえよう。それを人間の小さな知恵、才覚だけで考えてやったのでは、かえって自然の理にもとり、失敗してしまう。」(「実践経営哲学」p.32)そして、「自然の理法は、いっさいのものを生成発展させる力をもっておるんや。」(「経営秘伝」江口克彦著p.103)と述べ、「宇宙大自然に逆らわず、むしろ宇宙や大自然に溶け込んで、これと一体に成り切ってしまう。これが人間の本当の姿であり、その結果現れてくるものが、世の中でいう成功とか成就ということになるのではなかろうか。」と言うのである。そこでは、もはや“私心”にとらわれて、「なすべきことをしない」とか「なすべからざることをする」ということは起こらないであろう。

Copyright © 2018 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

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      最新の記事は、「私たちは“仮想現実の世界”に生きている!1)フェイクニュース」す。

 

 

 

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