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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント㉘ 10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ” ②

November 22, 2019

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント㉘

10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ” ②

 

 倒産の危機に直面した松下幸之助は、次の様に考えて、ある決断をしたのである。

 

 「これには困った。困ったけれども、私はこの電池ランプの優秀性を100パーセント信じているだけに、こんなバカなことはない、という気持ちがつよかった。冷静に考えてみると、結局、最大の問題は、この新しい電池ランプが従来のものとちがって優秀なものだということが認識されていない、ということである。」「だから、私の次にとるべき道は、この電池ランプの優秀性をいかにして知ってもらうか、認識してもらうか、ということになる。これはもういくら口でながながと説明していても始まらない。実物で実際にその優秀性をたしかめてもらわなければならない。」

 

 そして、その方法については、「何人かの人を雇って、この新しい電池ランプを自転車屋さんに置いて回る」「しかも、ただ置くのではなく、ランプのスイッチを入れて点灯したまま置く」こととし、実際にどれだけ長くもつか販売店さんに見てもらおうという狙いであった。置いて回るだけで、売ったわけではないから、代金はもらえない。よければお客に売っていただくこともお願いし、売れれば代金は入る。しかし、一応は無料で見本を配布することとした。

 

 人を雇って、無料で大量の見本を販売店に配布するということは、当時の資金の乏しい松下電器としては、「非常に危険なカケであり、冒険」、つまり大きなリスクであった。「もしも失敗すれば、それはこの新製品だけの失敗ではなく、松下電器の経営の失敗である。ゆきづまりをきたすことは火を見るよりも明らかである。見本を配布したけれども少しも売れず、代金ももらえないとなれば、これは仕事を続けていくことはできない。店を閉めなければならなくなる。」

 

 しかし、松下幸之助は、その危険(リスク)に敢えて挑戦したのである。そのように決断した理由について、次の様に説明する。「その理由の第一は、もちろんそれが現状打開のための唯一の方法であり、道はそれしかないと考えたからである。同時に新製品の優秀性に対する確信があった。それさえ知ってもらえば必ず売れる、ということをつよく信じていたからである。」さらに言う。「そして心に浮かんだことばは、『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』というものであった。危険を恐れていては“なすべきこと”もできない。自分の身の安全ということを一応度外視し、危険に敢えて立ち向かう、そうしてこそ道が開けることにもつながってくる。だからこの際は、自分は身を捨ててかかろう。そのように考えて決断したわけである。」(「決断の経営」30p)

 

 その結果は、非常な成功であった。この電池ランプが本当に何十時間ももつことがわかった販売店さんは、大いにお客さんにすすめてくれ、販売した。日を追うごとに注文が増え、販売店からの注文を受けて、問屋も取り扱いを申し出てくるようになった。そして、全国に普及していった。

 

ここで、“無料で大量の見本を販売店に配布する”という方策を思いつきながら、そのリスクの大きさに委縮して、それを実行しなければ、結局折角開発した自信作である電池ランプはこのまま世の中の多くのユーザーに知られることのないまま、“ジリ貧”となって、会社の経営も危うくなっていたであろう。松下幸之助は、「時と場合によっては避けるべきでない危険というものもある」と言い、このような場合には、敢えて“リスク”を取り、その“危険”に挑戦すべきなのだと言うのである。さもなければ、『何もしないというリスク』、それは、経営そのものをも危うくするより大きなリスクを負う結果となるからである。

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