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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント㉔ 8)衆知を集めること④:下意上達①

October 25, 2019

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント㉔

8)衆知を集めること④:下意上達①

 

 『下意上達』、実は、これが最も難しい。いわば“鯉の滝登り”の如く、様々な“障害物”を克服して初めてトップの社長にまで届くのであるが、そもそも鯉が登ろうとしないとか、登ろうとしても途中で脱落することも多いからだ。

 

 まずそもそも下の者が上に情報を上げるという制度自体がないような場合には、『下意上達』はほとんど生じないであろう。

 

 例外は、例えば『事業を通じて社会に貢献する』という“高い志”を社員が“共有”し、その会社で働くことに“誇り”を持っているような場合である。このような会社で、そのような会社の目指す方向を否定するような事象が発生した場合には、それに気づいた社員は、そのような報告制度がなくとも、会社の信用あるいは名誉を守るために、自主的に上司等に報告するであろう。

 

 しかし、普通の企業では、下の者はわざわざ手間暇をかけて求められてもいない報告をすることはない。評価されることもないからである。

 

 それでは、そのような報告制度がある場合はどうか?

 

 報告制度があるというだけでは、人間は動かない。例えば、報告することによって、それが評価され、表彰されたり、昇給や昇格にも影響するという場合には、手間暇をかけても報告するだろう。

 

 しかし、実際に報告をしても、それに対する反応がなく、どう評価されているのかも分からないというような場合には、報告のしがいがないので、次第にその手間暇を惜しむようになるだろう。

 

 それでは、報告制度があって、下の者が上位者に報告をすれば、万事うまく行くであろうか?

 

 それでもやはりうまく行かない場合がある。それは、中間管理職が下の者の報告を握り潰してしまう場合である。特に“失敗が許されない文化や風土”の組織においては、さらに上位者に報告を上げた中間管理職が、上位者から“自分の失敗”であるかのように扱われてしまうような企業では、中間管理職が“委縮”してしまい、上に報告をせず、自分で何とか“処理”しようと頑張ってしまうのだ。ところが、自分の手に余ることが次第に分かってきて、事が大きくなってから、報告せざるをえなくなり、大目玉をくらう結果となる。これは、組織としては、対応が遅れることで、不十分な対応しか取れなくなってしまうということにもなりかねない。

 

 この点、松下幸之助は、下の者、特にこの場合で言えば“中間管理職”が採るべき行動として『上位者に訴える』ことが大切だ言う。平常時には、各社員が「独立性をもって仕事をし、経営をしていく」ことが望ましい。それは、『自主責任経営』ということを重視するため、「会社の方針にのっとりつつ、責任をもって自主的に仕事を進めていくという姿」が好ましい。逆に「『命これに従う』ということで、いちいち上位者に指図され、いちいち上司にきいて仕事をしていたのでは、成果もあがらず、人も育たない」からだ。

 

 これに対して、「うまくいかない非常に困難な場合、思案に余る場合」は異なる。「自分だけでそれを握って、自分だけで悩み、上位者に訴えない。上位者はうまくいっていると思って安心している。どうしてもいけなくなって、訴えたときにはすでに手遅れだということが実際にあると思います。」「『社長も忙しくしているし、こんなことでよけいな心配をかけてはいかん』というような善意からいってこないのだろうが、結果としてはそれこそよけいな配慮であって、かえって大きな心配をかけることになってしまうわけである。」このように「具合の悪いときは瞬時も早く上位者に報告して指示を仰ぐ」べきであるとし、それが「ほんとうの責任経営」だと強調する。その時点で報告さえあれば、社長の立場で「外部に対して手を打つ」ことができたのに、報告がなかったがゆえに、社長は「実際のことがわからなくなってしまい」「外部に対して手を打つ」機会を逸してしまうこととなるからだ。

Copyright © 2019 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

(お知らせ)関連のブログも併せてご覧いただければ幸いです。100周年を迎えた現パナソニック株式会社の創業者であ
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