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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント⑳ 7)自然の理法に従うこと-『素直な心を持つこと』②

September 27, 2019

6.補論①失敗しない経営:松下幸之助とリスクマネジメント⑳

7)自然の理法に従うこと-『素直な心を持つこと』②

 

 “私心へのとらわれ”が、経営者の目を“目隠し”し、あるいは、曇らせ、歪ませる。それが、目の前にあるリスクを見えなくしてしまう、あるいは、過少評価させてしまうのだ。言い換えれば、リスクというものは、それを見る人の“心の持ち方”によって、見えなくなる、隠れるという性質がある。

 

 しかし、“自然界”に目を向ければ、太陽や月、動物や植物などあらゆるものに“私心”も“とらわれ”もなく、いわば“素直な心”によって営まれていることに気づく。

 

 なぜ、自然界なのか?父親の米相場での失敗によって、小学校を四年生のときに中退し、大阪へ丁稚奉公に出された松下幸之助は、起業した際に拠り所とすべきものとして、学校教育で学ぶ知識というものがなかったため、自然そのものからも学んだのである。曰く、「自然の営みというものには、私心もなければ、とらわれもないと思います。いってみれば、文字通り素直に物事が運び、素直な形でいっさいが推移していると思うのです。」私たちも、“自然”の中に自分の身をおけば、都会の雑踏や日常の悩みなどを忘れて、自ずから“自然”に溶け込み、一体となって“素直な心”になって行くものだ。松下幸之助は、“素直な心”自体も、“自然の理法”の一部と捉え、また、“経営者の持つべき基本的な心構え”として最も重要なものと位置付けている。

 

 他方、人間というものは、“私心にとらわれる”だけではない。人間は、情勢に流されやすく、また、自身の感情に振り回されやすい。調子が良いと、直ぐに有頂天になり、独断専行し、暴走しがちとなる。また、調子が悪くなると、途端に意気消沈してしまい、戦闘意欲を喪失してしまいがちである。経営者が、自分自身の能力を過信し、自惚れて“驕り”、部下や他の人の意見を聞かなくなったり、あるいは、一時の成功に有頂天となり、“傲慢”になって、そこに“油断”を生じ、経営環境の変化に気づかず、打つべき手を打たなかったり、ライバル企業の新製品に敗れるということが起こる。また、経営者が続くデフレ不況に戦意を喪失して、新たな成長に向けた戦略を打ち出せないということもあろう。これらは、いわば人間の特質から不可避的に生じる、いわば経営者の“心の弱さ”の生み出す“心のリスク”と言ってもよい。長い人間の歴史上も、『驕る平家、久しからず』という言葉もある通り、繰り返し時の権力者の衰退の原因ともなっている。

 

 松下幸之助は、このような人間というものの特質を自身の経験から観察、研究し、そのような“心のリスク”を予防し、周囲の情勢の変化に大きく影響されない“安定した経営”を目指した。その方法の一つが、この「自然の理法に従った経営」とその一部である『とらわれない素直な心を持つこと』という“私を抜いた思考プロセス”である。特に何らかの重要な経営判断を行う際に重要となる。このような“私を抜いた思考プロセス”によって、経営者が自身の感情に振り回されて“驕り”や“傲慢”、“過信”などから“油断”を生じて経営判断を誤ることを防ぐことができるとともに、この思考プロセスが、経営者が情勢の変化に翻弄されて、意気消沈したり、挑戦の意欲を喪失してしまうことを防ぐ思考上の“防波堤”となるのである。

 

 そして、『とらわれない素直な心』を持つことによって、「物事の実相、真実の姿を正しくとらえること」ができる。つまり、目の前にあるリスクをリスクとして正しく捉えることができるのである。経営者は、これから自分がやろうとしていることを、『それは、天地自然の理に反していないか?』『そこに自分のとらわれからくる“無理”はないか?』自問自答することによって、そこに潜むリスクをあぶり出すことができる。

Copyright © 2019 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

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