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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

5.社会とともにある 2)経営観:「企業は社会の公器」⑤

December 28, 2018

5.社会とともにある 2)経営観:「企業は社会の公器」⑤

 

 “企業は社会の公器”だと捉えることの第四の実践的意義は、経営者の重要な経営判断に際して、あるいは、経営者が経営判断に迷うときに、『共同生活の向上に貢献するという使命を持った社会の公器として事業経営を行っている』という“使命感”“社会的責任感”という具体的な情動を生み出し、それが、“大きな力”“勇気”を与えるということである。

 

 まず“企業は社会の公器”という概念が呼び覚ます“使命感”については、松下幸之助は、次の様に述べている。曰く、「人間というものは、時に迷ったり、恐れたり、心配したりという弱いともいえる心を一面に持っている。だから、事をなすに当って、ただ何となくやるというのでは、ともすればそういった弱い心が働いて、力強い活動が生まれてきにくい。けれども、そこに一つの使命を見出し、使命感をもって事に当っていく時にはそうした弱い心の持ち主と言えども、非常に力強いものが生じてくる。~人間は利によって動くという面もあるが、使命を遂行する、使命に殉ずるといったことにそれ以上の高い喜びを感じるものでもある。」(「松下幸之助一日一話」63p)社会の発展の為に働いているのだという“使命感”“大きな力”を生むとともに、結果が出てからではなく、使命を遂行している“プロセス”自体において、“高い喜び”を感じるのだという。これは、いわゆるプライミング効果である。そのとき、脳は活性化し、潜在的な能力が発揮される。

 

 この点、“自分のために”働く場合と比較するとよくわかる。松下幸之助は言う。「会社を私的に考えて、会社自身のためにこれだけ儲けなくてはいけないということになると、だんだん卑屈になってきます。」(「社員稼業」p.93)「人間誰しも自分が大事であり、可愛いものである。そのことはごく自然な感情ではあるが、しかしそうした自分の利害とか感情にとらわれてしまうと、判断を誤ることもあるし、また力強い信念も湧いてこない。そうした自分というものを捨て去って、何が正しいかを考え、なすべきことをなしていくところに、力強い信念なり勇気が湧き起こってくるといえよう。」(「指導者の条件」p.77)「私に儲けるものであれば弱いのです。公に儲けるのだから非常に強いものがそこに生まれてきます。・・・公の立場で考えられるから、そこに非常に強いものがあると思います。」(「社員稼業」pp.92-93)

 

 人間は、“自分のため”だけに、あるいは、“自分が儲ける”ために、何かをしようとしても、それ程頑張れるものではない。人間には、辛いことや苦しいことを避けて、愉快なことや楽しいことを求めるという特徴がある(“快楽苦痛の原則”)。それ故、人は、苦しいことを避けて、程々でお茶を濁そうとする。自分のためだけならば、自分で自分を説得しさえすればよいからだ。しかし、“人の為に”何かをするという場合には、そういうわけにはいかない。それ故、むしろ“人の為に”何かをする場合の方が人間は頑張れるものだ。例えば、家族のためなら、頑張れる。そうであるならば、世の中の人々を家族同様に考えることができるならば、“世の中のために役に立つこと”をすることは、自分にとって“大きな力”となる。

 

 この点、松下幸之助は、次のように述べている。曰く、「おのれを愛するごとく他人を愛し、仕事を愛し、町や国を愛してゆくことが、ほんとうに自分を愛することなのである。自分の周囲、そして、属する団体、ひいては社会がよくならずして、お互いの真の繁栄はないのではなかろうか。」(「思うまま」p.221)「仕事というものは、人びとに喜びを与え、世の向上、発展を約束するものだと考えれば、勇気凛々として進めることができると思います。」(「松下幸之助一日一話」p.26)“勇気”が湧いてくるというのである。

 

 松下幸之助は、この“使命感”“責任感”については、極めて厳格に捉えている。曰く、「事業活動を通じて、人びとの共同生活の向上に貢献するという使命を持った、社会の公器として事業経営を行っている企業が、その活動からなんらの成果も生み出さないということは許されない。そういう使命を現実に果たしていって、はじめてその企業の存在価値があるのである。“企業の社会的責任”ということがいわれるが、~基本の社会的責任というのは、どういう時代にあっても、この本来の事業を通じて共同生活の向上に貢献するということだといえよう。」(「実践経営哲学」pp.27-28)

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