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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

5.社会とともにある 2)経営観:「企業は社会の公器」①

November 30, 2018

5.社会とともにある

2)経営観:「企業は社会の公器」①       

  

 企業というものは、言うまでもなく商法上の「会社」であり、“利益”を目的とする、つまり営利目的を持つ社団法人という私的団体である。勿論そのことを理解した上でなお、松下幸之助は、企業を“社会の公器”と捉えた。この考え方は、少なくとも当時の社会においては、他社には見られない極めてユニークな企業の捉え方であった。

 

 なぜそのように考えたのであろうか?

 そもそも当初、1918年に三人で松下電気器具製作所(現パナソニック株式会社)を起こしたときの目的は、幸之助自身が述べるように、「食わんがため」、即ち生活のためであった。その後十年ほどは、世間の常識や商売の通念に従って、それなりに努力もし、会社の事業も発展し、社員とその家族を合わせると千人の規模となってきた。そうすると、自分の父が米相場で失敗し、大阪に丁稚奉公に出ることとなったという自身の経験も相俟って、“もし自分が経営判断を誤って会社を潰してしまえば、この人たちを路頭に迷わせることとなってしまう。そのようなことは決してあってはならない”という強い“責任感”を感じるようになったという。そこで、何としても“安定した経営”をしたい、そのためには、今の経営には何か“指導精神”が足りないと悩み、経営の進め方についてあれこれと考えたのである。

 

 多くの倒産した取引先とその経営者を見てきた自身の経験から、多くの失敗する中小企業の社長の陥りがちな“落とし穴”があることに気づいた。それは、“これは自分の会社やからすべて自分の好きなように何をしてもいい”と経営を“私事”と考えて、自分の好きなように経営を行いがちだということである。

 

 そうすると、いつの間にか“自分のフトコロ具合”ばかり考えるようになって、次第に従業員や得意先、仕入先のことを考えるのが“後回し”になって行く。その結果、その会社のつくる製品は、“真に顧客の求めるもの”から次第に離れて行き、顧客の支持も得られなくなる、自社の言い分ばかりを主張するので、仕入先との関係もうまく行かなくなり、従業員も、大切に扱われることもなく、“やりがい”を感じなくなって、皆がバラバラになり、組織としての力を出し切れない。

 

 これが、多くの経営者の典型的な経営の失敗のパターンであった。松下幸之助は、このようなことだけは避けなければならないと強く決意したのであった。

 

 この点について、次のように述べている。曰く、「商売というものは、非常に難しい。しかし、また一面非常にしやすいものだとも言える。・・・己の心に囚われて物を見る場合に色々と難しさが起こってくるようだ。自分の立場からしか物が見られない。世間の声は二の次だという考え方でゆくと、事毎に支障が起こってくる。」(「松下幸之助一日一話」p.121)

 

 『私心』『私的欲望』にとらわれるとなぜうまくいかないのか?

 

 それは、これまでも繰り返し述べてきた通り、自分の利害や感情などの『私心』を重視する『私的欲望』が、心と意識の“軸”を形成し、物の見方や物の考え方がすべてその軸を中心とするものに偏ってしまうからである。松下幸之助の言葉でいう『己の心に囚われて物を見る場合に』『自分の立場からしか物が見られない』ということである。つまり、“自分が得をすること”や“自分の好きなこと”に自分の意識をフォーカスし、関連する情報を脳が選択して集めてくる、そして、外部情報の評価や解釈、さらには、自分の考えや行動までが“自分が得をすること”や“自分の好きなこと”を基準とすることとなる。そうすると、それ以外の情報、特に事業経営にとって極めて重要な、社会の動きや顧客のニーズの変化などの情報が、“削除”されて、認識できず、認識しても、“歪曲”して軽視し、決めつけてしまう(“一般化”)ため、時代とともに変化する社会の動きや顧客のニーズを把握し、それらに応えていくということができないからである。

 

それ故、事業で成功するためには、まず経営者自身が自分の『私的欲望に打ち勝つ』ことが不可欠であると松下幸之助は

考えたのである。

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