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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

(1)“お客様大事の心に徹する”の意義

August 18, 2017

7)お客様大事の心に徹する    

 

(1)“お客様大事の心に徹する”の意義

 

 企業が、事業活動を継続し発展していくには、“顧客”の存在とその支持が不可欠である。どんなに素晴らしい技術を持ち、どんなに素晴らしい商品を作っても、それを買ってくれる顧客がいなければ、事業は成り立たない。顧客が、企業の商品やサービスを購入するという形で、企業の活動を支持するということによって、初めて企業は存在することができる。決定権は、あくまで顧客の側にある。しかも、それは100%顧客にある。それ故、自分がどんなに良い製品だと思っても、顧客の支持を得られなければ、それは“失敗”である。

 

 結局のところ、顧客の求めるものにより多くより早く応え続ける企業が、顧客から選ばれ続け、生き残っていく、それは需要と供給の関係に基づく市場メカニズムを前提とする資本主義経済である限り、当然の帰結である。

 

 翻って考えれば、企業のやるべきことは、明らかである。即ち、顧客の求めるものを他社よりも敏感にいち早く掴み、あるいは、予測して、それを商品やサービスの形で実現し、顧客に提供し続けて行くということに尽きる。そして、それを他のどんなことよりも優先しなければならない。

 

 この点、松下幸之助は、「お客様大事の心から発展が生まれる。お客様を粗末にする会社は崩壊する。」(1960年3月21日高校卒入社式にて)と述べている。要するに、事業活動は、常にすべてのプロセスにおいて、お客様を見て、お客様の求める方向に向かって進めていかなければならないという、“事業の方向性”が「お客様大事の心に徹する」という言葉に明確に示されているのだ。

 

 そんなことは当たり前だと、読者の皆さんは思われるかも知れない。ところが、世の中の企業を見ると、その“当然のこと”が必ずしも実行されてはいないのである、むしろ、その当たり前のことができていないことの方が多い。なぜか?

 

 それは、一言で言えば、事業は人間が行うものだからである。そして、「人間は自分が一番可愛い」ものだからである。うまく行っていない会社の多くは、経営者から社員に至るまで、この“当たり前のこと”を忘れて、自分の利害や感情などの“私心”にとらわれ、顧客の求めるものよりも“自分の都合”や“自社の都合”を優先させ“独り善がり”の事業をしている。しかし、それでは事業がうまく行くはずかない。“当たり前のこと”を忘れているからである。

 

 そのように考えてみると、うまく行かないのは、同業他社との競争に負けたからではない。他社と“競争する”という以前に、自分たち自身の原因から、ただ“自滅”しているにすぎない。しかも、この“当たり前のこと”が実践できていない例が意外に多いのである。それ故にこそ、この「お客様大事の心に徹する」ということを改めて強調することに意義がある。つまり、それを本当に、しかも、徹底して実践できている企業が少ないからこそ、逆にそれができれば、他社の追随を許さない、大きな競争力となるからである。
 

 重要なことは、第一に“顧客の方向”に向くということ、その方向に向かって経営なり仕事をするということである。

 

 そして、それを邪魔するものは、“自分が一番可愛い”と思う“自己中心的な”人の心である。自分の利益や感情、考えなどにとらわれて、方向が外れていく、企業が“自滅”していく場合の原因のほとんどは、そこから発していると言っても過言ではない。

 

 そして、第二に“顧客満足”を具体的に“行動”に現わし、その具体的な“方法”を見出すこと、そして、第三に、それらを徹底して実行し続けることである。“顧客満足”をただ唱えるだけでは意味がない。要は、それを徹底して実践することが重要である。

 

 世界一の企業となった流通業のウォルマートを創業したサム・ウォルトンは、自ら経営理念として掲げた「顧客満足」に、より具体的な意味を与え、「顧客満足は、実際は顧客の不満が多いからこそ意味を持つことができる」と述べ、「日々、昨日よりもっと顧客中心になるように決断する姿勢であり、実行」を“顧客中心”の意義とし、長年に亘って徹底して実践し続けた。実際には顧客のためでないことが、自店にも他店にも数多くあり、そのような事実認識から明日はもっと顧客中心でなければならないという“方向”が生じると言う。(吉田繁治著「ザ・プリンシプル」p.230)

 

 「顧客満足」という意味のことを経営理念や方針として掲げている企業は数多い。しかし、その理念や方針が実際の経営や事業活動において本当に実践されているのかどうか、また、実践されている場合でも、どの程度それが徹底されているか、ということがここでの問題である。

 

 また、そのような理念や方針を持ちながら、実際の事業活動では実践できていない企業では、一体何がそれを妨げているのであろうか。「お客様大事」あるいは「顧客中心」という方針に異議を唱える者は恐らくいない。しかし、それらが実践されていない企業では、“総論賛成、各論反対”、つまり各論で具体策を実行する段階で、顧客のためでない“何か”との衝突や矛盾が起きているのである。以下でそれらを見ていく。

Copyright © 2017 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

 

 

 

 

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