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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

(4)“お客様大事の心に徹する”-その現代への応用④

January 5, 2018

(4)“お客様大事の心に徹する”-その現代への応用 ④

 

 それでは、時代の転換期にある現代において、事業に成功している企業はどうしているか?まず先進国では、一応モノが行き渡り、むしろ溢れる中で、顧客のニーズは主観化し、多様化し、しかも変化していく。成功している企業は、このような環境の変化に適応して、工業化社会において成功した“規格大量生産型ビジネスモデル”への“とらわれ”から脱し、“顧客の立場”に立って、主観化し、多様化し、変化する顧客のニーズを素早く、かつ、敏感に感じ取って、それらを他社よりも早く実現して提供し続けている。

 

 例えば、先に述べた通り、韓国のサムスンは、携帯電話について、数百のモデルを出して、いち早く顧客の反応を検証し、どのモデルが売れるかを見極めている。最近、米国で登場した“アダプティブ戦略”もその例である。これは、机の上で“将来を予測・推測する”のではなく、結局“やってみなければわからない”という前提に立って、“仮説”を立て、実際にやってみて、顧客の反応から“仮説”を検証する、つまり、“今の知恵に学ぶ”というアプローチである。

 

 また、新興国においては、近時いわゆるボトムオブピラミッド(BOP:最も所得が低い層)ビジネスが注目を浴びているが、“先進国で開発した製品”は、“優れて”おり、新興国でも通用するはずだと“決めつけ”て、それらの規格製品を大量生産し現地の人々に“押し付け”て、利益を搾り取るという考え方とやり方で新興国に進出した企業は悉く失敗している。新興国の顧客という相手の立場に立って考えず、“自社の利益と都合”を優先して事業を行ったため、顧客の求めるものから乖離してしまったからである。

 

 これに対して、成功している企業は、新興国の顧客の立場に立って、その本当に求めているものを白紙から見直し、現地で真に必要な機能を見出して追加する一方、不要な機能を思い切って削ぎ落とし、コストを削減する、さらに、新興国の人々の購買力でも買えるように、製品を小分けにするなどの知恵と工夫を凝らして、現地の人々の手の届く低価格を実現している。それを可能にするのは、如何に顧客の立場に寄り添い、共感できるか、あるいは、端的に顧客の立場に成り切れるかである。この点、実際に現地の人々と何日か生活を共にしたり、あるいは、その生活ぶりを真近に観察する中で感じ取るなどの工夫をしている企業もある。ユニ・チャームやP&Gがその例である。

 

 このように見てくると、先進国でも振興国でも、成功している企業のやっていることは、基本的に同じである。松下幸之助の言う「(新興国の)社会の発展の原動力となる」ために「一商人なりとの観念」を徹底して実行するということに尽きると言ってよい。つまり、“感謝の心”“とらわれない素直な心”“謙虚な気持ち”を忘れず、即ち、自分たちの利害や感情などの“私心”にとらわれず、“自社の為”ではなく、“相手国の発展の為に何ができるか”と考え、先進国あるいは新興国の顧客などの「相手の立場に立って」、そして、相手に成り切って、そこの「人々の役に立つ」こと、人々が本当に求めていることを考え抜き、あるいは、感じ取って、それを実現する一方、「収支を立てる」ためコスト削減等の知恵と工夫を凝らすことだ。この基本的な考え方は変わらないのである(“不易”)。そのやり方が先進国と新興国の夫々の状況に応じて様々あるということだ。(“流行”)

 

 この点、経営戦略論における長年に亘る論争、即ち、儲かる市場にポジションを取るべき(ポジショニング)か、それとも、企業の能力を磨き上げるべき(ケイパビリティ)か、の議論を融合し、それらの両者を共に実現しようとした経営戦略論、「ブルーオーシャン戦略」は、松下幸之助のいう“お客様大事の心に徹する”の応用形であると言える。

 

 即ち、「ブルーオーシャン戦略」は、ポジショニングについては、価格競争などの同質的な競争の激しい既存市場(“レッドオーシャン(血で血を洗う海)”)から脱して、そのような競争のない未開拓市場(“ブルーオーシャン”(青い海))を切り開くとともに、新たな市場を開拓するケイパビリティを創造すること(バリューイノベーション)を主張する。この点、松下幸之助の考え方から言えば、そのような“レッドオーシャン”は、それだけメーカーも多いのであるから、他のメーカーに任せておけばよい、自社はより社会のニーズがありながら、それらが満たされていない市場こそ、社会の発展のために自社に求められているのだと考えることができる。

 

 また、「ブルーオーシャン戦略」は、市場を確定した後の経営戦略としては、高付加価値で差別化するか、または、低コストを追求するかの二者択一だとしたマイケルポーター教授の競争戦略論に対して、それらの両方を実現することを目指したのである。具体的には、「追加する」「増やす」と「削除する」「減らず」の4つのサイクルを回して効率的に行うことを提案している。これは、「人々の役に立つこと」を「追加する」「増やす」一方、「収支を立てる」ために不要な機能や無駄なコストを「削除する」「減らず」のである。これこそ、正に松下幸之助の目指した「相手の立場に立って」「人々の役に立つこと」を考え、それを実現する一方で、「収支を立てる」ために知恵を絞る、「一商人なりとの観念」を忘れず、“お客様大事の心に徹する”ことに他ならない。

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