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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

(2)一商人なり③“感謝の心”“謙虚な気持ち”を忘れない②

September 29, 2017

(2)一商人なりとの観念を忘れず:

  ③“感謝の心”“謙虚な気持ち”を忘れない②

 さらに、松下幸之助は、この“感謝の心”に、より積極的な意義をも見出している。曰く、「ぼくは後に独立して自分で商売を始めてからもやはり五代さん(筆者注:松下幸之助が丁稚奉公していた大阪の五代自転車店の店主五代音吉氏のこと)と同じように、お得意先大事に徹するということを第一に心がけ、それがお得意先の方々に受け入れられて、喜ばれて、商売の発展に結びつく一つの大きな要因になった、と言えると思います。これは結局、何事でも感謝の心を持つことが大切だということだと思います。感謝の心を持てば、それはいろいろな形になって自分に返ってきます。それを期待して感謝の心を持つというのではいけませんが、自分の置かれた立場なり、他人からの恩恵なりに素直に感謝できる人(喜びを知る人)は非常にしあわせな人だと思います。」(「折々の記」p.16)感謝の念を抱き、それを自然な形でお客様に対して表現していくと、それはいろいろな形になって自分に返ってくるというのだ。

 

 また、見返りを期待して感謝するという、いわゆるgive & takeの姿勢ではなく、いわばgive & giveの姿勢でなければならないとするのである。確かに初めから何かを得ようとしてする“感謝”の表現は、相手から見れば、“下心”が見え透いて、そのような“感謝”の表現を素直に受け止められなくなる。

 

 松下幸之助は、「人間の心というものは一面利己的ですが、また一面で非常に報恩的、恩を感じるもの、つまり、好意を感じて、それに報いようとするものだ。」と述べており、人は人の好意に報いようとするものだという人間の特徴を自身の体験と人間観察を通じて見抜いていたのである。これは、現代の社会心理学上“返報性のルール”として知られている。他人から親切や贈り物、招待などの恩恵を受けると、何か“借り”ができたように感じてしまい、その人に対して将来お返しをせずにはいられない気持ちになるという特質が人間にはあるとされている。(「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ著より)

 

 松下幸之助は、さらに自分の受けている様々な恩恵に気づき、“感謝する”ことによって、“自分自身”に対してこの“返報性のルール”を効かせ、顧客からの“見返り”を期待して何かサービスをするのではなく、方向を逆転させて、既に自分が受け取った様々な恩恵に対して返していく、つまり、自分の行為自体が”返報”になっているため、お客様に対して“見返りを求めずに与えていくこと”ができるのである。即ち“感謝”“お客様に奉仕する”という方向の“ベクトル”を生み出すとともに“感謝”の大きさの分だけ“パワー”を生み出すのである。このようにして“感謝すること”は、顧客に対する無条件の“奉仕”“力”を生み出すのである。

 

 これに対して、“私心”にとらわれて“どうすれば儲かるか”というところから出発すると、“目先の利益”に拘り、かけるべきコストをケチって、何らかのコストをかける以上初めからそのコストに見合う“見返り”を直ちに顧客から取ろうとするのだ。狭い視野の中で帳尻を合わせようとする。例えば、都会で喫茶店を経営するに際して、高い賃借料を早く回収するため、小さなテーブルを所狭しと並べて、できるだけ多くの客を入れ、また、顧客の回転率を上げるために、コーヒーを飲み終わった客のテーブルをさっさと片付けて、請求書を置いて行き、「もうテーブルを空ける時間ですよ」とばかりにプレッシャーをかける場合である。その結果、喫茶店でコーヒーをゆっくり味わいながらくつろぐという“顧客の満足”は犠牲となり、“顧客”は「また来よう」とは思わず、離れて行く。「どうすれば儲かるか」とだけ考えて採った、それらの対策は、顧客の側から見れば、実は逆効果である。本来満足させるべき顧客がいわば“搾取する対象”となってしまっているからだ。

 

 このように“私心にとらわれ”、自己中心的な物の考え方から、「どうすれば、売れるか儲かるか」と考える、という出発点から間違えることのないようにするため、自分の受けている恩恵やご愛顧いただいている顧客への“感謝の心”を忘れず、それらに報いていくために「どうすれば、人々に心から喜んでもらえるか」という視点から知恵と工夫を凝らしていく「商売の原点」に立ち返らせるの意義があると言えよう。

Copyright © 2017 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

 

 

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