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松下幸之助の経営哲学-その真髄の理解と実践のために-

世の中に優れた経営者と言われる人は多くいますが、”経営の神様”と言われたのは、松下幸之助だけです。なぜでしょうか?それは、卓越した観察力で様々な人々を観察する中で、人間の”無限の可能性”と現実の姿としての”心の弱さ”という相矛盾する本質を発見し、そして、それらの双方の本質を共に活かそうとして、”自分の心を使いこなす”こと、また、それを応用して他人を使うことを極めたからだと言えるのではないでしょうか。つまり、松下幸之助の経営哲学は、”人間学の集大成”とも言えるものです。

本サイトでは、これまで必ずしも十分に解明されなかった松下幸之助の経営哲学の機能とメカニズムを現代の神経科学や脳科学、心理学、神経言語プログラミングなどの知見にもとづいて解明し、その全体像を明らかにして体系化したものです。これまで松下幸之助の経営哲学は知識として頭で理解することはできても、本当の意味で実践することは必ずしも容易ではありませんでした。しかし、本サイトが解明したその経営哲学を”血肉”となるほど自分自身の”信念”とすることができれば、その経営に、また、人生に自然と実践することができるようになるでしょう。そうすれば、結果は自ずとついてくるものだと言えましょう。                                    

 

                           2016年5月1日 著者 宮﨑 勇気                 

(2)一商人なりとの観念:②“相手の立場に立って考える”②

November 10, 2017

(2)「一商人なりとの観念を忘れず」:

   ②“相手の立場に立って考える” ②

 

 松下幸之助のいう「相手の立場に立って考える」というのは、“自分の立場”に立ったままで顧客の求めるものを考えるという、先に挙げた第三の場合とは異なる。上で見たように“自分”というものが残っている限り、“自我”による“削除”“歪曲”“一般化”のメカニズムによる影響からは逃れられないからである。松下幸之助は、「お客様の心が読める」という表現をしている。その意味するところは、“自分”を完全に離れて、つまり“自分のフィルター”を通さずに、いわば“相手に成り切って”、むしろ“相手のフィルター”を通して、見て、聞いて、感じるということであると私は考える。

 

 実は、そのような能力は、私たち人間は誰もが持っているとされている。東京大学大学院薬学系研究科の池谷祐二準教授によれば、人間の脳には、“体外離脱体験”(心が身体の外にワープして宙に浮かぶ)を生じさせる脳の部位と神経回路が実際にあり、そこからさらに他人の視点から自分を眺めることができる能力を有しているという。つまり、自分の視点を体外に置く、あるいは、他人の眼差しを内面化できるという。(「単純な脳、複雑な私」池谷祐二著pp.191-195)

 

 実際、前述した神経言語プログラミング(NLP)の手法の中には、「立場を利用したリフレーム」という技術があり、相手の立場から見ることができる。実際にやってみると、自分では思いつかなかった言葉が出てくる。これは次のように行う。

 

 まず立ち上がって、ジャンプをしながら、頭と手を振るなどして、心身を整える。次に、自分の前に特定の人(お客様)がいることをイメージし、その人がいる位置に実際に移動して、例えば、その人の着ぐるみの中に入るような感じをイメージしながら、その人に成り切る。あるいは、椅子を二つ用意し、座る椅子を変えることで、自分から相手に成り切る。そして、その人の五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通して自社の製品についてその人に成り切った体験(“主観体験”)をしっかりと味わう。すると、ユーザーの立場から自社製品について思いがけない気づきが出てくる。

 

 また、その人の立ち位置でその人の視点から自分が事業活動をしている姿を見て自分にアドバイスするのだ。すると、それまでは気がつかなかったことが顧客の立場から浮かんでくる。次の言葉から、松下幸之助は、これを実際にやっていたと思われる。曰く、「自分の店が“どれほど喜ばれ感謝されているか”をお客様の視点から絶えず反省・検討し、改善していくことが大切だ。」「そうすることによって、足りないところがわかり、尽きざる創意工夫も生まれてくる。“自分の店の存在意義”というものについての確信が生まれ、商売にも自ずと力強いものが湧き出てくる。」

 

 このような考え方は、実は、海外にもある。例えば、英語では、”step into one’s customers’ shoes”(顧客の靴を履く→顧客の立場に立つ)という表現があるし、松下幸之助の尊敬する米国の自動車王ヘンリーフォードは、次のように述べている。「成功に秘訣があるとすれば、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。」

 

 実は、この「相手の立場に立って考える」ことができるようになれば、「一商人なりとの観念」の第一の意味の「人びとの役に立つこと」が何かがより明白に見えてくるのである。また、逆に第一の意味の「人々の役に立つこと」を徹底して実践して行けば、最終的には、この第二の意味の「相手の立場に立って考える」ことができるという領域にまで到達することとなろう。

Copyright © 2017 Yuki Miyazaki  All rights reserved.

 

 

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